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イベントレビュー

2022.05.02

養老乃瀧で日本酒を楽しむ会 ~大納川さんを囲んで~

 

4月13日、今年初めての「養老乃瀧で日本酒を楽しむ会」が、本社YRイベントホールにて行われました。

「養老乃瀧で日本酒を楽しむ会」は、全国津々浦々の酒蔵さんをお招きして日本酒の楽しみ方や製法、特徴、蔵元の想いをうかがい、自慢の銘柄を楽しもう、というイベント。その模様をお伝えします!

 

■「大納川天花」の5銘柄が登場!

今回お招きしたのは、秋田県横手市大森町の株式会社大納川(だいながわ)さん。大正3年に創業された、由緒ある酒蔵さんです。代表取締役社長の田中文悟さん自ら、池袋本社まで来てくださりました。

 

 

大納川さんが造っているのは純米酒のみで、現在展開しているのは「大納川」「大納川天花(てんか)」「山内(さんない)杜氏」の3ブランド。今回はこの中から「大納川天花」の5銘柄を持参いただきました。天花は生産量が限られていることもあり、卸し先は地酒専門店のみという貴重なお酒です。

 

 

田中さんには天花の5銘柄と養老乃瀧のお料理をペアリングしていただき、限定30名の参加者の皆様にお楽しみいただきました。今回持参いただいた大納川天花の5銘柄と、ペアリングしていただいたお料理を紹介しましょう。

 

①純米吟醸「スパークリング」

 日本酒度-15と甘みがありつつ酸度も1.9と高く、キレのある発泡感が特徴。乾杯でも食中酒でも、幅広いシチュエーションで楽しめます。ペアリングしていただいたのは「おつまみ生ハム」。スパークリングのさっぱりしたシュワシュワ感が、生ハムの脂をほどよく切ってくれます。

 

②純米吟醸 無濾過生原酒「秋田酒こまち」仕込

 目指すのは「大森テロワール」。原料米の「秋田酒こまち」は、地元・大森町産を全量使用しており、お米の生産者さん、造り手、そして町の皆さんの思いが詰まっています。特徴は甘みの強い味わい。ペアリングした「サーロインステーキ(ガーリック風味)」のパンチのある味ともわたり合ってくれます。

 

③純米大吟醸 無濾過生原酒「亀の尾」仕込

 蔵付き酵母「D-29」との組み合わせによるおだやかな吟醸香と、幻の酒米といわれた「亀の尾」の深みのある味わい。今回の5銘柄では、スパークリングを除いて最も発泡性が強く、特に「ホタテとドライトマトのグラタン」のクリーミーな風味とは相性ぴったり。もちろん「塩焼きそば」のうま味も。しっかりと引き出してくれました。印象的なのは後味。やわらかな酸と余韻を残しつつ、スーッと消えていきます。

 

④純米大吟醸 無濾過生原酒「五百万石」仕込

 今回の5銘柄で最も酸度が高く(2.2)、さっぱりした風味のお酒です。原料米は"東の横綱"「五百万石」。スッキリとキレのあるフレッシュな味わいと、口いっぱいにあふれるジューシーなうま味が特徴のお酒です。「ホタテガーリックピザ」の濃厚な味をさっぱりと洗い流してくれるので、ついつい杯を重ねてしまいます。

 

⑤純米大吟醸 無濾過生原酒「山田錦」仕込

 この日でまだ発売2日目の銘柄を持参いただきました。ペアリングしたのは「北海道ほっけフライ サルサソース添え」。「日本酒と揚げ物の相性はよくない」とよく言われますが"西の横綱"「山田錦」の力強くて濃厚な甘味は、そんな定説など軽く吹き飛ばしてしまいます。ほのかなガス感と、ふんわりしたメロンのような甘い香り、そして軽やかな口当たり。もう、やめられません。

 

■「みんなで日本酒のマーケットを広げていきたい」田中文悟社長

 今回お招きした、株式会社大納川の田中文悟代表取締役社長にお話をうかがいました。

 田中さんはアサヒビール勤務を経て阪神酒販で酒蔵再生事業を手がけ、2016年にジャパンフードアンドリカーアライアンスを起業。25社の食品メーカー、酒造メーカーの経営再建を行ってきました。その流れで大納川の再建を行い、2018年に代表取締役に就任しています。

 

 

「大納川は自分で会社を立ち上げて最初の再生案件なので、特に思い入れが強いです。私が2018年に事業を承継した時から、売上を5倍以上に伸ばすことができました。

 ただし、それは手放しで喜べることではありません。なぜなら、日本酒全体の消費量が下がっているからです。

 つまりウチの数字が増えた分、どこかの酒蔵の数字が落ちているということ。今は他の酒蔵を敵視するような状況ではなく、皆で助け合って日本酒とのマーケットを広げていかないと、これ以上ビジネスを大きくすることはできないんです」

 

 

今、日本酒の酒蔵は右肩下がりで減っています。昭和51年をピークに4000近くあった蔵は、今は1000程度。あと数年で現在の半分になるのではないか、とすらいわれています。「酒蔵の後継者不足といわれて久しいですが、健全経営ができていないから継がせられない、というケースが多いように思います。

 

 

酒蔵はもともと、いわゆる地元の名士の方がやられていたことが多く、他の事業で十分な利益が出ていたために酒蔵の不採算を気にせず、十分な利益を取れないまま現在に至ってしまった面があります。みんなで力を合わせて、この状況に少しでも歯止めをかけたい。

 

 酒蔵はまだまだニッチな産業ですから、広告宣伝費をたくさん使ってマスにアピールしても、造れる数は限られている。だから大切なのは、ファンコミュニティーを作ることだと思っています。全国の日本酒をよくわかっている層の方々に飲んでいただき、情報を積極的に発信していただくことが一番効果的だと思っています」

 

 ワインや焼酎と同じように、日本酒もしっかりマーケティングとプロモーションを行っていく必要があると、田中さんは考えています。

 

「日本酒=おじさんが飲むもの、という固定観念があり、これまで若い人達にリーチできずにいました。でも最近になって、少しずつ女性や若い年代の方々の関心が増しています。ラベルをおしゃれにしたり、少し発泡性のあるスパークリングを出したりというように、徐々に変わってきたのではないでしょうか。

 

 また最近は、アジアを中心に輸出にも力を入れています。輸出は日本酒業界全体で総生産量の8%とまだまだ低いので、まだまだ伸びしろがあると思っています。

 

 もちろん『大納川のお酒はおいしい』と言っていただけることが一番ですが、まずは日本酒は本当においしいということを知ってほしいですね」

 

 普段ビールや焼酎、ワインをいつも飲む方に、そのうち1杯でもいいから日本酒を選んでもらえるように。田中さんの奮闘は、これからも続いていくことでしょう。

 

 

■『養老乃瀧で日本酒を楽しむ会』今後も毎月開催します!

 

 養老乃瀧ではさまざまな酒造メーカーさんをお招きし、日本酒のおいしさの秘密に迫るイベント『養老乃瀧で日本酒を楽しむ会』を定期開催しています。5月は、青森県の桃川さんをお招きする予定です。お楽しみに!

 

【養老乃瀧で日本酒を楽しむ会 今後の予定】

第6回 5月11日 桃川株式会社(桃川/青森)

第7回 6月8日 菊水酒造(菊水/新潟)

第8回 7月13日 磯蔵酒造(稲里/茨城)

第9回 8月10日 吉川酒造(菊勇/神奈川)

第10回 9月14日 小澤酒造(澤乃井/東京)

第11回 10月5日 奥の松酒造(奥の松/福島)

第12回 11月9日 白瀧酒造(上善如水/新潟)

 

〇時間:18時開場・18時30分スタート(20時終了)

〇場所:東京都豊島区西池袋1-10-15 4F YRイベントホール

〇参加費:3,000円(税込)

※代金には、試飲とペアリングするお料理の試食代が含まれます。

〇定員:30名

〇申込URL:https://form.run/@yoro-nihonsyu

お問合せ:070-6407-4663 養老乃瀧イベント事務局

 

 

 皆様、ふるってご参加下さい!

 

 また「日本酒チャンネル by 養老乃瀧」では、日本酒にまつわる最新コンテンツを配信しております。ぜひ、チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

 

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